大阪・道頓堀火災から1カ月。大阪市消防局企画課に火災概要や消防法令違反の有無、出火原因など聞く

8月18日に発生した、大阪有数の繁華街・道頓堀で消防隊員2人が犠牲になったビル火災から早1カ月。火災が壁面の屋外広告を伝って燃え広がったとの報道もあり、本紙では、「大阪市消防局員職員の殉職事案に関する情報提供」を大阪市消防局企画課(広報)に依頼。その回答がようやく得られたこともあり、火災概要や時系列、消防法令違反の有無、出火原因、出火箇所および延焼経路などを追った。
出火原因は現在、大阪府警察と合同で調査中。出火箇所および延焼経路は、事故発生建物西側部分の1階から出火。同建物の外壁に設置された屋外広告伝いに上方へ延焼、東側部分南面5階の窓ガラスを焼損し、建物内に延焼したと推定されている。
屋外広告の素材はその後、市の屋外広告物条例に基づく設置申請で、防炎製品の「ターポリン」と判明。ただし、素材や大きさは詳細に記載しなければならないが、現物確認はされていないという。メーカーが性能評価を受け、不燃材として大臣認定を受けていれば適法な素材とされるため、市では焼けた屋外広告の素材が適法だったのか調査中だ。
「法令違反対象物への対応」では今回の火災を受け、期間を定めた特別な対策は行わないが、本来、建物に設置しなければならない「自動火災報知設備」の未設置など、重大な消防法令違反の是正指導を最優先に行うとともに、今回の火災のように部分的な不備のあるビルに対し、早期是正に向けた指導を継続して行うとしている。
(写真は火災後の現場周辺状況=大阪在住の業界関係者から写真提供)
※取材内容の詳細は新聞「総合報道」2025年9月15日号に掲載