【キヤノンPPS】UVjelテクノロジー搭載プリンターのスーパーワイドモデルを発表

 キヤノンプロダクションプリンティングシステム㈱(キヤノンPPS)は10月1日、UVjelテクノロジー搭載3.4m幅インクジェットブリンター「Colorad XLシリーズ」を発表した。
 同シリーズは、UVjelテクノロジーをより広幅な出力物にも使用したいという現場のニーズに応えたモデル。ロールtoロール「Colorad XL7 roll-to-roll」と、リジッドメディアにも対応するハイブリッドモデル「同 XL7 hybrid」(写真)の2機種を展開する。
 UVjelテクノロジーは、インクをジェル化してドットを形成するため、インク同士の不用意な混合やにじみの発生を抑止して、色の正確性・一貫性・シャープさを保ち、高画質を達成する独自技術。色域の高さ、対環境性能、無臭、速乾といった長所も併せ持つ。環境に配慮したTPO(トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド)およびVCL(ビニルカプロラクタム)フリー、ニス不要でマット・グロス仕上げが選択できる点も特徴となっている。
 「Colorad XLシリーズ」では、新開発の「UVjel 860インク」を搭載。従来の特徴を継承しながら、ロール・リジッドメディアの幅広いアプリケーションに最適化。さらに、新たに搭載された「UVjel 850 PrintHead」は、各ヘッドに4544個のノズルを備え、自動ノズルモニタリングと補正機能を付与した。
 LED硬化装置は一新。ライトとミラーシステムを組み合わせた「UVgel FullBeam Curing」は、印刷幅全体が硬化システムとなっており、均一なUV光を照射。メディア搬送も新たな「UVjel TRIdriveバキュームベルトシステム」により最適化され、3つのローラーと複数のバキュームゾ―ンがメディアの位置を自動検出し、蛇行やシワを軽減する。
 印刷速度は、Qualityモードで70㎡/h、Expressモードで211㎡/h。UVjelテクノロジーのメリットを活かし、バナーや紙、ビニール、フィルムに加え、テキスタイルや熱に弱い素材、発泡ボード、PP波板、アクリル、アルミ複合板、ボール紙など多様なメディアに対応する。
 オプション機能として、ホワイト印刷ができる「UVjel White」、ニスを使わず同一面でグロス・マット仕上げを打ち分ける「FLXfinish+」、革や木目、ファブリックなどの質感を再現する「FLXture」など、前機種「Colorado Mシリーズ」から継承する機能も用意。ニーズに合わせて多彩な表現が可能となっている。
 発売は来年初頭からを予定している(日本国内での販売開始時期は未定)。なお、10月22日から開催されるS&Dショウにて、同シリーズの印刷サンプルや製品紹介動画を紹介する。

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