【東京都】アドトラックデザイン審査 都外ナンバーにも条例適用の方向へ

渋谷を走るアドトラック

 東京都は、都外ナンバーの「広告宣伝車(アドトラック)」について、東京都屋外広告物条例を適用する方向で検討を始める。現在、都条例の適用対象は都内ナンバーの車両に限定されているが、都外ナンバーの車両も適用対象となった場合、都内を走行するにはデザイン自主審査を受けることなどが求められる。 

 近年のアドトラックは、派手ないろづかいやデジタルサイネージの光などによるデザイン面、大音量でのアピールなどが良好な景観や交通安全の観点から問題となっており、都民からも意見が寄せられていた。

 多くの自治体の屋外広告物条例は、国が屋外広告物法の運用に関する技術的助言として自治体に提示している「屋外広告物条例ガイドライン」に準拠しており、自動車の車体利用広告については、走行地ではなく、当該自動車の登録地の条例が適用されることになっている。現行の都条例・同施行規則も同様である。

 都ではデザインの自主審査制度により、アドトラックのデザインの質の確保を図っていたが、その後も都内には都条例の適用対象外である都外ナンバーのアドトラックが数多く走行していた。このため、2014年には都外ナンバーのアドトラックも(公社)東京屋外広告協会のデザイン審査を受けられるようにし、都は積極的に審査を受けるよう呼び掛けていた。
 しかし、都が今年2月に、新宿と渋谷の繁華街で実施したアドトラックの走行状況調査によれば、各6日間で確認した約70台は全て都外ナンバーであり、このうち約7割は風俗営業関連だったという。

 都外ナンバーのアドトラックに対する規制の時期は未定だが、都は、埼玉県、千葉県、神奈川県などの周辺自治体とともに自治体間の統一的なルールを策定することなども検討したいとしている。

※取材内容は総合報道2023年4月25日号に掲載

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