【日本広告審査機構】不快な広告表現に苦情が急増、前年同期の1.7倍

(公社)日本広告審査機構は12月22日、2025年度上期の広告苦情レポートを公開した。
2025年度上半期の苦情は前年同期の1.7倍となる7,088件となった。6月に性的な広告に関する報道等があり、JAROが生活者に「広告への声を届ける手段」として認識され、それにより苦情が全体的に急増し、特に気持ち悪い・汚い表現、性的、猟奇的・ホラー的な表現など広告表現に対する苦情が増加した。
前年同期に比べ苦情が集中する広告・広告主が目立ち、特に医薬部外品などをECで扱う事業者の広告に479件もの苦情が寄せられた。今期、上半期の苦情件数としては過去最多となり、通期で最も多かったのは2020年度11,560件だが、2025年度通期はこれを上回る可能性がある。ただ、報道後に苦情件数が急増したが、7月~8月をピークに徐々に減少しており、下期はさらに落ち着いてきている。
苦情は内容別に表示、表現、手法の3つに分類している。表示は価格・品質・成分・効能効果など、商品やサービスの機能、性能、特徴に対して、虚偽、誇大、まぎらわしい等と主張する苦情。表現は広告の表現物が不快、差別的、社会的・倫理的に問題、子どもへの影響などに意見を表明する苦情。手法は頻度、音量、映像の点滅、表示する仕組みなど広告のやり方に対する苦情である。
今期は全体的に増加しているが、特に表現が4,097件(前年同期比242.0%)となった。前述のとおり性的な広告が急増したほか、「気持ち悪い」「汚い」表現、画面が回転する表現、暴力的・ホラー的表現などがあった。
手法も件数自体は多くないが前年同期比185.7%と増加した。インターネット上のものでは画面いっぱいに広告が掲載されることやオプトアウトしても何度も表示されること、メッセージが届いているという紛らわしい表示などに対して、テレビ・ラジオについては冠婚葬祭や士業広告の放送頻度などに対して寄せられた。
表示の上位は医薬部外品、医院・病院、通信販売だった。医薬部外品はシミが簡単に取れるようにうたうものや定期購入ではないと表示するが定期購入契約させるものなど、医院・病院は脂肪が消滅などとうたうものや安い料金をうたって実際は高額となるというもの、通信販売では無料でもらえるとうたうが後から条件が分かりもらえないというもの、など。



