【東北エプソン】プリントヘッド製造の新棟を竣工

 セイコーエプソン㈱は、インクジェットプリンター用ヘッド(以下 プリントヘッド)の生産能力増強のため、グループ会社である東北エプソン㈱に約51億円を投資し、2024年6月から建設していた新棟(6号棟)を竣工した。新棟の竣工により、東北エプソンにおけるプリントヘッドの生産能力を、将来的に現在の4倍程度に拡大する見込みだ
 東北エプソン㈱では、1995年にプリントヘッド(CHIPSヘッド)の生産をはじめ、2013年6月にはPrecisionCoreプリントヘッドの生産ラインを構築、量産を開始した。エプソン㈱のロボットを駆使した自動組立ラインとし、プリントヘッドの生産技術ノウハウの蓄積を図るとともに、生産技術を盤石なものとして、国内生産拠点としての競争優位性を向上させてきた。
 今回竣工した新棟は、広丘事業所(長野県塩尻市)における「マイクロTFPプリントチップ」前工程の増産投資に対応するべく、2023年12月竣工の秋田エプソン(秋田県湯沢市)10号棟に続き国内における後工程の生産能力を拡大させるもの。東北圏2拠点において、安定生産を実現するため機種別生産割り付けを行い、BCP対応として主流機種の両拠点での生産やライン共用による生産変動に柔軟に対応することで、生産性向上を図る。これにより、今後のPrecisionCoreプリントヘッド搭載インクジェットプリンターの需要増加による製品ラインアップ強化などを可能にしていく。
 また、新棟は既存のプリントヘッド生産工場棟に併設して建てられ、部品から組立までをより効率的にできるようにした。加えて、新規設計の工程による省人化・省スペース化を図り、工程内在庫の最小化や自動運搬ロボットの導入、効率的レイアウトなどにより、作業者の負荷を低減。また効率的な成層空調システムを導入し、省エネルギーと省コストを図りました。そして、これからの製造業における課題に対応し、夜勤業務の省人化など働きやすさと合理化による高効率生産を両立する未来工場を実現した。

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