【富士フイルムビジネスイノベーション】シグネチャーパビリオン「いのち動的平衡館」の建物外観に「構造色インクジェット技術」が採用

富士フイルムビジネスイノベーション㈱は、4月13日に開幕する2025年日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博)のシグネチャーパビリオン「いのち動的平衡館」の建物外観に、「構造色インクジェット技術」が採用されたことを発表した。
シグネチャーパビリオンは、大阪・関西万博会場の中心に位置し、各界で活躍する8人のプロデューサーがテーマごとにそれぞれ展開する「シグネチャープロジェクト(いのちの輝きプロジェクト)」の起点となる展示パビリオン。「いのち動的平衡館」は、そのうちの一つで、生物学者・福岡伸一プロデューサーが「いのちを知る」をテーマに展開するパビリオンとなっている。
採用された「構造色インクジェット技術」は、富士フイルムグループの分子制御技術を応用し、フィルム基材上に吐出したインク内に微細な構造を形成して発色させるもの。色味の異なる構造色を発現するインクを複数種用意し、その組み合わせやインクの濃度を調整しながら、構造色のパターンやグラデーションなどを自在に描画することで、高い意匠性を実現する。
同パビリオンでは「いのちを知る」がテーマとなっており、「構造色インクジェット技術」の特長である生物を彷彿とさせる高度な意匠性が評価され採用に至った。また同技術は、様々な光源との組み合わせにより多彩な表現が可能なため、「いのち動的平衡館」の建物外観に採用されたように透明な樹脂やガラスへの装飾にも適しているという。

色味の異なる構造色を発現する複数種のインクを組み合わせることで、光の波長によって生じる赤色から青色まで、フルカラーの構造色を表現。

インクジェット印刷により構造色を自在に描画できるため、さまざまな色味のパターン表現や、色の濃度を変化させたグラデーション表現が可能。自然界に存在しない「構造色の木目柄」など、幅広い出力表現を実現する。

同じ印刷物でも、見る角度によって色合いが変化する。

背景色によっても色合いが変化。黒色の背景に構造色を加飾すると、透過光が吸収されて構造色の反射色が見えるが、白色の背景では透過光が吸収されず、その補色が見えるようになる。