【日経広研】2022年度広告費予測見直し、インフレ響き1.1%増に下方修正

 日経広告研究所(日経広研)は7月27日、2022年度(22年4月―23年3月)の広告費予測を見直した。これによると、前年度に比べて1.1%増加すると発表。今年2月時点での予測値3.7%増から下方修正した。半期別では、上期が前年比2.1%増、下期が同0.2%増としている。
 世界的なインフレ傾向が企業収益を圧迫する 懸念が広がり、企業の広告出稿姿勢に慎重さがでている。
 媒体別ではテレビ広告が1.5%減少に転じる(前回予測値3.1%増)。「タイム広告」が減る公算が大きいと見られている。インターネット広告は前回予測値14.7%を下回るものの、10%増と2桁の伸びを維持。
 交通広告は前回予測の 3.5%増を上方修正し、6.0%増を見込む。22年度に入ってからコロナ禍の行動制限が実施されていないため、人流が徐々に回復していることが支えている。とはいえ、JR東日本や東京メトロがダイヤ改正で減便を発表している上、テレワークの浸透といった事情もあり、大幅な伸びは期待しにくい状況だ。
 折り込み・ダイレクトメールは前回予測の1.5%増から横ばいへと引き下げた。紙の価格上昇は折り込みのコスト増 大につながり、枚数に影響する可能性がある。原料高に悩む食品会社が流通業への販売促進費を減らすと、ちらしの枚数減少につながる公算もある。一方、 旅行や宿泊などサービス業のちらしが増えているのは下支え要因 となる。
 SP・PR・催事企画は4.8%と着実な増加を見込む(同2.4%増)。給付金の窓口業務などコロナ関連の官公庁需要はピークを超えた可能性があるが、民間向けのイベント、プロモーションの需要増が期待される。

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