【尼崎市】猪名川公園にまちのうわさ看板が出現

 尼崎市と豊中市の府県境に位置する猪名川公園。地元では「自然林」の愛称でも親しまれているこの公園では、これまで「BBQ禁止」「ハトの餌やり禁止」など、利用マナーを呼びかける注意看板が数多く設置されてきた。そうしたなか、禁止や注意を伝えるだけではなく、利用者が楽しみながら公園や地域に興味を持てる場をつくろうと、現在尼崎市で展開している「うわさプロジェクト」の一環として、新たな“うわさ看板”を設置した。
 企画にはアーティストの山本耕一郎氏が参加。公園周辺の生涯学習プラザや園和小学校、園和北小学校、市立尼崎高校などで地域にまつわる「うわさ」を募集したところ、205件が寄せられた。そのなかから選ばれた94種類のうわさを看板に仕立て、園内や周辺に計約180枚を展示している。
 看板に記されているのは、公園の利用マナーだけではない。かつてこの場所が川だったという歴史や、「利椎富池」の読み方、地元出身の野球選手やマラソン選手にまつわる話、さらには「尼崎で一番初めに咲く」といわれるサクラの存在など、地域に暮らす人々だからこそ知っているような情報が並ぶ。
 自然林の豊かな緑のなかを散歩しながら、ふと目に入る一枚の看板。そこに書かれた“うわさ”をきっかけに、これまで知らなかった地域の歴史や文化に触れることができる。「禁止」や「注意」を伝える従来の看板が多く設置されている状況を逆手に取り、看板そのものを地域との新たな接点へと変えた今回の取り組み。公園のマナー啓発にとどまらず、「知る」「歩く」「誰かに話したくなる」という体験を生み出すことで、利用者が猪名川公園に親しみを持つきっかけをつくっている。“うわさ”の展示は2027年3月までを予定している。


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